水曜日, 3月 25, 2009

十条日常診療フォーラムNEWS
『抗菌剤どうやって選んでますか? 抗菌剤使用のヒント2』

2月19日は 内科 石田先生による『抗菌剤どうやって選んでますか? 抗菌剤使用のヒント2』でした。前回の復習に続き キノロン、アミノグルコシド、マクロライド、テトラサイクリンの説明でした。キノロンでは第1世代はナリジク酸ですが今は使う場面はなくなっている事、ニューキノロンである第2世代のシプロ、リビゲットなどはGNRとブドウ球菌に使いますが、青○の連鎖球菌には効かないので肺炎には使えない事、それを改善して作られた第3世代クラビットは肺炎に使える事、第4世代はそれに嫌気性菌をカバーするので横隔膜下のバクテロイデスにも効く事が話され、キノロンとはグラム陰性菌をカバーすることから始まり、セフェムとは逆の考え方で作られてきたというお話でした。アミノグルコシドは緑膿菌まで含む好気性グラム陰性桿菌をカバーしますが、グラム陽性球菌にも若干の活性がありβラクタム剤と併用される事、短期間使用では腎不全は悪化させないこと、病状が非常に悪いときは、βラクタム剤よりも早く1時間程度で効果が出るとの事。マクロライドはGPR、百日咳菌、キャンピロバクター、インフルエンザ菌、マイコプラズマなどに有効ですが、耐性を拡げるため外来では処方してほしくない薬とのこと、マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎にクラリス、アジスロマイシンは補助的に使用可とのことでした。また投与間隔での注意はPC・セファロ・マクロライドは濃度依存性であり、血中濃度がMIC以上を上回る時間(TAM)が4割を超える必要があり投与回数が大切、キノロン、アミノグルコシドはピーク濃度が重要なので少ない量をチョボチョボ入れるのは駄目とのことでした。質問が尽きず、石田先生の抗菌剤のお話は、汲み尽くせない泉のようでした。

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