金曜日, 12月 19, 2008

十条内科 日常診療フォーラム「COPD:慢性閉塞性肺疾患」

10月30日は 内科 中野 先生による『COPD:慢性閉塞性肺疾患』でした。<br />日本のガイドラインを中心にお話しいただきました。慢性の咳・喀痰・労作性呼吸困難のいずれかがあり、長期間の喫煙または職業性粉塵曝露があるときはスパイロメトリーを行ない、気管支拡張薬投与30分後FEV1/FVC<70%で診断をつけること。症状と1秒量(FEV1)で0期:リスク群からⅣ期:最重症(慢性呼吸不全/右心不全合併)まで病期分類すること。治療は、Ⅰ期軽症から必要に応じて長時間作用型の気管支拡張薬が使用され、Ⅱ期中等症以上では呼吸リハビリテーションが加わること、薬物療法の主流は長時間作用型抗コリン薬のスピリーバ(チオトロピウム)でβ1刺激薬ではセレベント(サルメテロール)が当院に入っていること、リハビリテーションでは運動療法が行なわれており、体重減少を認める場合呼吸不全化や累積死亡率が高いため高エネルギー食(標準体重×35Kcal)の摂取が必要であることが説明されました。また酸素療法・換気補助療法・肺容量減量手術(周術期死亡2-3%)と特にNPPVの選択及び除外基準の説明がありました。また急性増悪時は、短時間作用型β刺激薬のサルタノ-ル、メプチンにスペーサーをつけての吸入、高コリン薬のテルシガンの併用、ステロイド全身投与による回復時間の短縮が勧められました。入院適応については、Ⅲ・Ⅳ期で高齢者は入院、Ⅰ・Ⅱ期では呼吸困難があれば入院とのことでした。最後にスピリーバで閉塞性障害の総死亡・心不全・急性増悪が減少したことが2008年NEJMで報告されているとのことでした。

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