金曜日, 12月 19, 2008

十条内科 日常診療フォーラム「内科医が診る骨粗鬆症 防げる骨折を防ぐための骨粗鬆症治療」

11月13日は 整形外科 大川先生による『内科医が診る骨粗鬆症 防げる骨折を防ぐための骨粗鬆症治療』でした。毎年股関節骨折が増加していること、椎体骨折や股関節骨折は死亡率が高いこと、多発椎体骨折による円背高齢女性はでは腹圧が上がり消化管機能が低下したり、逆流性食道炎になりやすく、呼吸機能低下により肺疾患、誤飲も起こしやすくなるとのお話があり、骨折の予防の重要性が強調されました。骨粗鬆症は骨強度の低下で起こりますが、骨強度は骨密度と骨質で規定されます。65歳以上の全女性、65歳未満でも骨折既往のある人、ステロイド服用中の人、またやせている人では骨量測定が必要で 50歳の女性が骨折する生涯確立は5人に1人とのことです。骨密度のorderはDXAで腰椎と股関節の両方のorderをしているとのことで、全身測定の落とし穴のお話がありました。原発性骨粗鬆症の基準はBMDのYoung Adult Mean(YAM)が70%未満ですが、脆弱性骨折の既往のある人では80%未満で薬物治療を開始すべきとのことでした。またステロイド投与のほとんどが薬物治療の適応になります。第1選択薬はボナロンで骨密度増加、椎体骨折予防、非椎体骨折予防の全てがグレードAとのこと、第2はエビスタですが 適応は閉経後骨粗鬆症にのみであり 男性には処方できず、副作用に肺梗塞、浮腫などがあります。したがって「閉経早期の女性にはエビスタ、寝たきりとなる可能性の高い高齢女性・男性にはボナロンがお勧めで、長期臥床ではダイドロネル」となります。 治療効果の評価は骨量を年1回、椎体の変形と骨折をXpで見る事、骨代謝マーカーは日内変動がありあてにならないなどのお話し、転倒予防の運動指導のポイントのお話しがありました。<br />最後に 11月20日 鳥取大学教授 萩野浩先生をお招きして北海道医師会認定生涯教育講座『大腿骨近位部骨折を予防するための最新戦略』が 中央病院第2別館3階会議室で行なわることの案内と そのあとの懇親会へのお誘いもありました。

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